琵琶湖に架かる橋2つ?? part5
2025年04月10日
琵琶湖に架かる橋2つ?? part5
【琵琶湖大橋の影響による地域発展】
琵琶湖大橋の完成によって、地域の交通網は大きく改善されました。琵琶湖大橋を中心に周辺の道路網も整備され、湖西地域は国道1号線や名神高速道路と直結され、京阪神方面や中部地方へのアクセスが格段に向上し、物流の効率化と観光客の増加が実現されました。
観光開発も急速に進み、1967(昭和42)年には「びわ湖タワー」がオープンされました。その後1992(平成4)年には巨大観覧車「イーゴス108」が設置され、京阪神から日帰りで楽しめる観光スポットになりました。
びわ湖タワーは2001年に閉園しましたが、観光開発とともに人の流れが活発になり、住宅地や商業施設の開発が進みました。周辺地域は確実に発展を遂げたのですが、京阪神のベッドタウン化が進んだ堅田周辺とは異なり高島市は消滅の可能性がある自治体となり、琵琶湖大橋が目指していた均衡ある発展が実現したとは言い難い状況です。
地域発展に格差は見られる状況ですが、琵琶湖の新たな架橋計画は進んでいません。その理由として、現状の交通需要を十分に満たされていることが考えられます。
現在、琵琶湖には琵琶湖大橋とその有料道路(2本目の橋)の2本の橋がありますが、これら2本の橋で地域の交通需要はすでに十分に対応できている状況です。周辺には大型商業施設やアウトレットモールが集積し、交通の要所として効率的に機能しています。
さらに、大津市と草津市にはインターチェンジも設置され、高速道路網との接続も確保されています。この様に限られた架橋を核にした交通・商業ネットワークで、対岸間の交流は十分に確保されているため、「なぜ琵琶湖にはもっと橋がないの?」という疑問に対する答えは、技術面だけではなく↓
『現状で十分だから』という合理的な結論となります。
≪琵琶湖に架かる橋2つ??≫のテーマもいよいよ次回で最終章!
次回は【琵琶湖横断運河構想の栄光と挫折】についてお伝えしたいと思います。