高水準なエンゲル係数

2025年02月27日

今の季節、鍋料理が恋しい方が多いかと思いますが、近年は野菜の価格高騰、

特に白菜や大根などの高騰で家計に影響を感じられる方も多いかもしれません。

実際に2024年のエンゲル係数は43年ぶりに高水準となりました。

・エンゲル係数が43年ぶりの高水準
 総務省の家計調査によると、2024年の2人以上世帯のエンゲル係数は28.3%となり、
 
28.8%を記録した1981年以来の高水準でした。

 特に全世帯のうち収入が下位40%の層では、エンゲル係数が30%を超えており、
 家計に占める食費の割合が増加しています。
 (参照:総務省「家計調査」2025年2月7日 )

・エンゲル係数とは?
 エンゲル係数は家計の消費支出に占める食費の割合を示す指標で、

 この数値が低いほど生活水準が高いとされています。
 理想的なエンゲル係数は家計収入のうち15〜20%と言われており、

 下記の計算式で求めることができます。

 エンゲル係数 = (食費 ÷ 消費支出)× 100
 ※消費支出は家計が日常生活のために使う全てのお金で、食料品や住居費をはじめ

  家具や教育費、生活小物が含まれます。

 「意外に食費が高い…」と気付くこともよくありますので、この機会に一度

 ご家庭のエンゲル係数を算出してみてはいかがでしょうか。

・エンゲル係数と企業の関係性
 エンゲル係数と企業には関係性がないように思いますが、エンゲル係数が家計を

 圧迫すると、収入増を求めて転職を考える社員が増える可能性があります。

 これは人手不足が深刻化している昨今、企業にとって無視できない問題ですよね。

 社員の食費の負担軽減には食事補助や賃上げが考えられますが、企業にとって

 すぐに実行することは実際難しいです。

 しかし社員全員で「節約」や「業務効率化」に取り組むことで、間接的に人材確保や

 売上向上につなげることができるかもしれません。

・企業ができる対策
 企業が取り組める節約対策として以下3つご紹介させていただきます。


 ①エネルギーコスト(電気代や水道代)の節約
  使っていない部屋の電気やエアコンのスイッチをこまめに切ったり、

  適切な室温(冬は21度前後、夏は28度前後)にすることが重要です。
  また、エアコンフィルターの清掃も電気代節約には効果的です。

 ②購買コスト(文具や備品)の見直し
  文具や備品など多めにストックをしがちですが、必要最低限に量を調整することで

  節約できる場合があります。

  ホッチキスの芯やボールペンなどは代表例ですが、他にもサブスクリプション型の

  ソフトウェアライセンスやサービスは必要人数分のみ契約しているかどうかを

  見直すことも重要です。

 ③業務効率化
  最近はAIが発展しており、会議での書記や資料作成にAIを活用すると業務効率化に

  つながる可能性があります。また清掃もその一環で、毎日数十分の業務を

  アウトソーシングすることで本来の業務に集中でき、長期的な売上アップに

  つなげられると考えられます。

最後に...
物価高や人手不足が加速している昨今だからこそ、企業として改めて「節約」や

「業務効率化」に取り組むことが重要になるのかもしれません。

高水準なエンゲル係数